『コカ・コーラ』第37回全日本スキー技術選手権 

 インタースキーに派遣する日本代表選手を決めるため、1964年、蔵王で開催されたデモンストレーター選考会。その後、デモ選から基礎選が分離し、さらに基礎選から名称を変えたのが現在の技術選だ。この間、八方尾根で開催されること21回。その度に多くのドラマが生まれた。 例えば、小林平康の衝撃的なデビュー。例えば渡部三郎と佐藤正人の同点優勝。例えば渡辺一樹と佐藤譲の制限滑降勝負。そして第37回全日本スキー技術選手権は、9年振りに聖地ともいうべき八方尾根に戻ってきた。2000年代、最初に名を残すのは一体、誰であろうか?

 記念すべき大会であるが、今年も多くの変更点がある。まず、最も大きな変更点といえば、得点の加算方法だ。昨年まで、準決勝進出決定と同時に予選の点数は関係なく、全ての選手が同じスタートラインに立ち、準決勝、決勝の点数で争われたが、今年は予選からの点数が全て加味されて優勝が争われる。これまでのように予選は調整とはいかず、全力で闘わなくてはならない。そのためには4日間いかに集中力を途切れさせずにいけるか、と精神面でも問われることになるだろう。本当の意味での覇者が決まるということだろうか。そして、点数の加算方法の変更に伴い、種目数が準決勝、決勝ともに3種目ずつと少なくなっている。また、今まで準決勝はターン弧の規制があったが、八方尾根自体が難しいシチュエーションということと、規制するよりは自由に滑らせた方が良いという判断から規制が取り除かれている。

 そして昨年まで最終種目は制限滑降であったが、今年は決勝日の午前に行なわれる。制限滑降は、その得点方法が複雑であったため、ギャラリーからは結局、誰が優勝したのか判らないということが度々聞かれていた。さらに、アナウンスがないにも関わらず、選手、メーカー、プレスなどの関係者の間だけで祝勝会が始まり、ギャラリーはそれで優勝者を知るという不親切なものであった。しかし、今年は午前に制限滑降が行なわれ、その後の種目は得点の低い選手からスタートするため、順位がはっきりと判る。今までは「内輪だけの大会」という感が拭えなかったが、一般スキーヤーも楽しめる大会になるのではないだろうか。

 そして、今大会の最も大きな話題となるのが、白馬シャンツェのランディングバーンを使用した決勝種目だろう。十分に大きな話題であり、低迷を続けていた基礎スキーにとって、新たなファン層を取り込むことができるだろうか? また、先程も触れたが、ランディングバーンでの種目は、得点の低い選手からスタートする。つまり、トップの選手が最後のスタートとなるわけだ。これは選手はプレッシャーがかかり、ギャラリーとしても盛り上がることは間違いナシだ。

 さらにデモ選についても触れると、前回までは技術選の点数が持ち越されたが、今年は「技術選は技術選。デモ選はデモ選」という理念の元、デモ選への出場権利のみを決め、点数の持ち越しというものがなくなっている。デモ選はデモ選だけで結果を出すことになるので、その分のプレッシャーがなくなり、選手らは思い切った滑りができるのではないだろうか。 「与えられた斜面に対して選手個人個人がどのようなパフォーマンスで滑ってくるか。教程に沿った形、プラスアルファの滑り、与えられた斜面にどのように状況対応できるかどうかというところがポイント。カービングスキーが出てきて、ターン弧や速さ、様々な意味での戦略が違ってきており、また、今年は検定も改定になっているので、そういう意味で変わってくる可能性もあるが、全体的にはそんなに変わらないのではないのか。しかし、開催地が八方尾根ということで、ハードな斜面をどういう風に攻略するかということを考えると今年の大会は非常に楽しみである」(技術委員 本間尚談)

 様々な意味で期待の大きい今年の技術選。新たなヒーローがまた誕生するのだろうか。

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