FIS Alpine Ski World cup 2001/02
Wengen(SUI). Men's 6th Slalom & Combined. 13,Jan,2002
イビツァ・コステリッチ(CRO)、2勝目、日本勢はまたも惨敗
1st Ivica Kostelic(CRO)
2nd Mitja Kunc(SLO) 3rd Edoardo Zardini(ITA)
M-SL Podium. 2nd Kunc, 1st Kostelic, 3rd Zardini M-Comb. Podium. 2nd Miller, 1st Aamodt, 3rd Kjus

 男子回転第6戦は1月13日、ウェンゲン(SUI)で行なわれ、クロアチアの風雲児・イビツァ・コステリッチが今季2勝目を上げた。2位のミチャ・クンチ(SLO)とはわずか100分の1秒差の勝利だった。クンチはまたもやわずかの差で勝利を逃がした。かつてジャン・クロード・キリーがこんな事を言った。「最も僅差のレースは最も美しい。百分の数秒差が世界を作る。その世界は栄光と屈辱を分ける」。

 3位に入ったのはゼッケン63番、ニューカマーのエドアルド・ザルディーニ(ITA)。1本目の4位から2本目は3位のタイムをマークしての3位、初の表彰台である。[winStar」も併せて受賞した。

 オーストリア勢は4位にライナー・シェンフェルダーが入ったのみで惨敗。ベンジャミン・ライヒが24位、マリオ・マットは1本目41位で2本目にも進めなかった。

 2本目にベストタイムをマークしたトーマス・グランディ(CAN)は1本目の25位から10位に、また1本目19位だったボーディ・ミラー(USA)は2本目2番のタイムで6位に入った。

 最悪なのは日本勢。皆川賢太郎、木村公宣、佐々木明、平沢岳の4人がスラロームに出場したが、1本目、皆川は上部でコースアウト、木村は39位、平沢は43位、佐々木は47位で2本目には進めなかった。明らかに格下の選手たちがどんどん上位に食い込んでくるのに我が日本チームはなかなか調子が上がってこない。

 またラウバーホルン・コンビネーションは滑降で4位、回転で8位のシェティール・アンドレ・オーモット(NOR)が優勝、2位に滑降45位、回転6位のボーディ・ミラー(USA)が、3位にラッセ・シュース(NOR)が入った。日本からは吉岡大介が出場しトータル11位だった。

 クラシックレースLauberhornのSLはコンビネィションのSLも同時に行なわれる。これを狙ってDH選手も出場し1本目に出場した選手は77名と多数を数えた。そのため時間もかかるが、このコースは昼ごろから日照もあり明るくなる。

 1本目、24番でスタートした皆川賢太郎は出だしはいいレースだったが、急斜面に入る前に旗門不通過で敗退した。

 6番のイビツァ・コステリッチのラップはもう変らないだろうと見られた60番i以後からのスタートで、61番G・ベルガメリ(ITA)が13位、62番のA・ホーゲル(GER)が11位、63番のE・ザルディーニが4位とハプニングが飛び出して、ゴールは何事だと騒然、昼食に帰りかけた観衆までぞろぞろと戻ってきた。

 コステリツチはコントロールした2本目で今季2勝目を決め、1/100秒差の2位はM・クンツ。これまではまだいいが、エラーもなく2本目ベスト5のタイムで3位のお立台に立ったのはニューフェースのエドアルド・ザルディニ、勿論「ウインスター賞」も手に入れた。

1位. Ivica Kostelic(CRO)
 「クラシックレースで勝つことは以前から夢見ていました。Wengenの勝利は貴重なものだと思います。 実は1本目はカゼで熱を出して力が入らなかった。6番というゼッケンは良かった。アスペンは64番、アーデルボーデンは4番の2位。ザルディニはビブが64番だったので「やられたか」とはつとしたわけです。自分は今季初出場したわけではなく前からレースには出ていましが、1998年11月、SGの転倒で始まり昨年1月まで転倒が多く、ハードトレーニングで左右の膝の中身を総計5回の手術、これはマーク・ジラルデリとタイ記録かな?。シーズン中はバーゼル(SUI)の病院暮らしワールドカップに出る暇が無ったわけです。
 自分が尊敬するのはミスター・オーモット(NOR)。彼のように全種目をまっとう出来るレーサーになりたい。コンビを含めDHのエントリーは魅力があります。しかし、それは次の五輪2006年からだと思います。
 妹のヤニッアは目下調子よくありません。電話でコンタクトを取るたびに頭が痛い、足が痛いと嘆いてばかりいますが、ソルトレークまでにはカムバック出来るでしょう。僕らは五輪のメダルを大きな目標にしていますから」。(プロテクターにスペードのエースをつけていて、これがFISから忠告を受けたとか、自分のサインがあるだけとは弁解で、コステリッチ一家はポーカーもプロなみなのだ)

2位.Mitja Kunc (SLO)
 「シーズン始めのクラツシュで顔面、頭部を打撲、レースにも出られなかったがやっと復帰、イビッアはいいレースもやるし、アーデルボーデンから一緒にトレーニングをやっているがこれも速い、偉大なスラローマーだと思う。1/100秒の返礼は必ずやります。

3位. Edoard Zardini (ITA)
 「63番スタートでもコースのコンデイションは最高でいい成績を出すことが出来ました。これまで5回のワールドカップSLに出場して2本目に残ったのは今日が始めてなんです。
 家はコルチナで両親はスキー教師、ゲド(クリスチァン・ゲディーナ)はいい親友、現在はBチーム所属、25歳でけっして新人ではありません。五輪?、出場など考えたこともありません。

コンビネーション
1位.K-A Aamodt (NOR)
 「滑降の4位から自信もあったからSLは慎重にやり、ここWengenコンビに初めて勝つことができ喜んでいる。五輪メダルの目標はコンビの金。ワールドカップの総合については自分の出だしが悪かったし、エバハルターにはかなわないだろう。勿論努力はする。では皆さんまた来週」とニヤリ。

2位.Bode Miller(USA)
 「SL1本目に会心の滑りが出来なかった理由は、ビンディングが緩んでいてスキーが外れないようにと慎重に滑ったためだ」。


[Kiyoko Hata, Basel]
★コラム★ 鈴木まさる

 ウエンゲンのホテル組合の圧力がかかってか、今年の大会から我々プレス関係者の宿泊も最低4泊しないとウエンゲンの町ではなく、麓のインタラーケンのホテルに泊まらされます。ご存知のように、ウエンゲンは車が一切入れない絶壁の上に出来た町ですから、トコトコと上ってゆく登山電車だけが頼りです。しかも冬の間は単線で途中ですれ違いがあったりして、普段だったらのんびりしていて風情のあるものですが、なんせ上部に行く観衆だけで2万人、ウエンゲンで降りてゴールに行く観衆が約4〜5千人として合計ざっと3万人からの観客が麓の乗り換え駅、あの狭い絶壁に挟まれたラウターブルンネンに殺到するんですから、幾ら臨時に告ぐ臨時電車を増発しても混雑は避けられません。
 前日のラウバーホーンの滑降には上部一番の見所「フントショップ」付近だけで観客約2万人が押しかけました。



 と、、、比べると名門ラウバーホーンの大会はどうしても滑降が本命でスラロームは従的な上に、地元スイスに勝てそうなスラローム選手が不在ということも手伝って、ゴールに設置された特設観客席も隙間だらけで仮装楽隊のドンチキ騒ぎがかえって空しくさえ感じられます。代りに今絶好調のクロアチア、フランスの応援団が目立ちます。

 今日も快晴のウエンゲン、昨日よりは多少気温が緩んだようですがそれでもバーンはガンガンに凍ってます。コースインスペクションの取材でゴールからアイゼンを付けてゴール前最後の壁まで登ってゆくんですが、高山でもこんなコンディションにはなかなか遭遇しない程のアイスバーンです。アイゼンの爪が1CMも食い込まない程で、どこかのチーム付きサービスマンでさえ上部の壁でスリップして落ちてくるくらいです。

 ここウエンゲンは難しいクラシックコースの一つとして選手もここで勝つのを誇りとしていますが、我らが皆川選手はここではコースアウトながら素晴らしい滑りを見せてくれた所でもあり、”今日は思いきっていきます。”と言った時の目が輝いていました。
 ムムム、、今日は来そうな予感が??? 
 結果中間タイムも出ない内に片半でコースアウト。又肩透かしだんたんですが、まあ今日は少なくとも攻めたための片半ですから仕方ないですか。
 木村選手もトップとの差2.5秒、普通だと予選通過ギリギリのタイム差ですが、今日は19人ものコースアウトがあった割には上位1秒以内に8人がひしめき合い、ゼッケン63番からイタリアの無名選手ザルディーニが4位に食い込んできたのを筆頭に後半以降の選手が続々と好タイムを出してきて、カット2秒そこそこと言うレベルの高さでした。

 佐々木選手も「最初からリズムに乗れなくて。。。今日は最低の出来でした」。今までとは打って変わって、レース後の口調に怒りが感じられます。それなりに成長したのでしょう、欲が出たようでこれからが楽しみです。

 それにしても、今期開幕戦アスペンで64番から初勝利を飾り以後表彰台の常連として、年明けにはトップ7入りしたクロアチアのイビツア・コステリッチ選手、先行したコンビ優勝者のシェイテル・アンドレ・オーモット選手に続いて席についた今期2勝目の記者会見で:
 ”皆さんの質問に答える前に、自分がどれだけMr.オーモットを尊敬しているか皆さんに知ってほしい。彼こそ最も偉大です。彼に比べたら我々は微々たるものです。スラロームしかしなければ単にポールとポールの間を廻るだけ、でなければダウンヒルだけで真直ぐチョッカルだけです。易しい。スキー、本当のスキー、それはMr.オーモットが実行しているスキーです。彼こそ最後のモヒカン。彼のコンビの優勝こそ最も大きな尊敬を与えられるべきです。何故なら、私の父が教えてくれた、スキーのフィロソフィーとは4種目全てを行うことだからです。。。。ではどうぞ質問を。”
 ”ウエンゲン、それは多分トップでしょう。だから私は今特別の気持ちを味わっています。然もアラブの諺に、:一度起きたことは必ずしも2度起こるとは限らない。但し、2回起きたことは往々にしてくり返される:、とあります。”

 先週のアーデルボーデンで表彰式の後にギターを抱えて歌って見せた”JOHNNY BE GOOD"、チャック ベリー並みのパフォーマンスに続いて、今回はインテリジェンスのデモンストレーション。イビツア・コステリッチは大スターの器です。

Slalom
Combined