ALPINE SKI WORLD CUP 2000/2001
Schladming (AUT) Men's 6th Slalom. 23,Jan,2001
Schladming 1st/ Benjamin Raich(AUT) 2nd/ Hans-Peter Braas(NOR) 3rd/ Mitja Kunc(SLO)
10位入賞の皆川賢太郎(日本体育大学) 26位、木村公宣(ロシニョールジャパン) 9th/ Alain Baxter(GBR)
DNF/ Erik Schlopy(USA) Men's Slalom. Podium
 1月23日、シュラドミング(AUT)でナイターで行なわれた男子回転第6戦は、地元オーストリアの風雲児、ベンジャミン・ライヒが、ウェンゲン、キッツビューエルに続いてハットトリックを達成した。1本目ベストタイムを奪った「ベニー」は2本目、上部で大失敗をしたにもかかわらず1本目の貯金を生かして4万人の声援に応えた。2位には「ワンダーボーイ」ハンス・ペーター・ブロース(NOR)が、1本目6位のタイムながら2本目はベストタイムをマークしてこのところの調子の良さをアッピールした。3位には「遅れてきた青年」スロベニアのミチャ・クンスが昨年のヨンピョン(韓国)での優勝以来の表彰台をゲットした。スロベニアはベスト10に4人を送り込み、パワーをアッピールした。
 日本からは皆川賢太郎(日本体育大学)と木村公宣(ロシニョールジャパン)が出場し、皆川が10位、木村が26位と二人そろって30位以内に名を連ねた。皆川は1本目11位。滑りからみて表彰台もと思わせたが、2本目タイムが延びずに順位を一つ上げただけにとどまった。だが滑りは安定してきていて、世界選手権に向けて期待が高まる。木村は1本目24位、2本目はぎくしゃくした滑りでゴールした中での最下位にとどまった。

 イギリスのアラン・バクスターが9位に入賞してついに第1シード入りを果たした。シーズン最初のパークシティ(USA)では53番でスタートしていた選手である。フィンランドチームのコーチをしているクリスチャン・ライトナー(AUT)が彼の指導に当たっている。クリスチャンは、1960年のスコーバレー(USA)オリンピック回転で銀メダルをとったヒアス・ライトナー(キッツビューエル在住)の息子である。
 マリオ・マット(AUT)は前回のキッツビューエルに続き上部でコースアウト。キッツビューエルでは1本目のインスペクション中に転倒するという醜態を演じ、そのせいかどうかは定かでないがスタート直後にコースアウトした。今回はそのようなアクシデントはなかったのだがまたもや上部でコースアウトの憂き目をみた。悪いことは続くらしい。

 惜しかったのは上位に上がってきたエリック・シュロピィ(USA)で、1本目20位に付けていたが、2本目ゴール前までダントツのリードを付けていたのにあと2旗門を残して痛恨の転倒、入賞を逃した。
 このレースで世界選手権前のスラロームはすべて終了した。皆川、木村の健闘を期待しよう。

☆☆☆鈴木勝=フジテレビ・コーディネーターのスペシャル・レポート☆☆☆
 ウエンゲンからキッツビューエルと2連勝のベンジャミン・ライヒが1本目2位のハインツ・シルヒェッガーに62/100、3位に食い込んだマティヤ・クンチを97/100と圧倒的な強さで突き放しましたが、今回は珍しくトップとの差1秒以内に2選手しか居ません。10位のクリスチャン・マイヤーでさえ2"14も離されて、ポール設定が難しかったせいでしょうか 、通常では2"50前後の予選通過ラインが3"24と何時もよりタイム差が荒れた試合になりました。予選通過した内6名がオーストリア、ノルウエー4名は判るとして、スロベニアに至っては7名全員が予選通過という素晴らしい健闘振りです。
 我らが日本チームも、今日ヨーロッパカップに出場した選手がいたため (佐々木選手が4位入賞)、スタート番号23番に上がった皆川と35番の木村の2選手のみですが、それぞれ11位、24位と予選を通過しました。

 20時45分とちょっと遅めのスタートで2本目が開始されました。5番スタートの地元ミヒャエル・ヴァルッヒホッファー、2本目のラップタイム2位でタイムを更新トップにたちましましたから、今年忽然と浮上してきた15番スタート、イギリスのアラン・バクスターにトップを譲るまで、 スピーカーの煽りも手伝って会場はもの凄い盛り上がりようです。

 7番でスタートした木村は、ちょいと押さえすぎたのかもう一つキレの冴えない滑りで振るわず、悪あがきの滑りに徹底出来なかったようですね。26位に終わりましたが、5ポイントゲットです。

 アラン・バクスターと言えば、随分前にバルガルデナの滑降で3位に入ったコンラッド・バッテルスキー以来目立つ選手が出ていなかったイギリスチームでしたが、コンスタントに全試合ポイントゲットして、このシュラドミングでSL種目別ランキング
も11位と大活躍です。キッツビューエルではイギリスのTV局がナント6局も取材班を送ってきていました。

 1本目に大きなミスをして14位と出遅れたキリアン・アルブレヒトが2本目ラップの55"71であっさりとトップをオーストリアに戻して、狭いゴールエリアからの大歓声がコース沿いにスタート台まで登って行きます。
 1本目11位タイの我らが皆川は12番スタート。スピーカーが日本びいきなのかやたらとがなり立てているなか快調にアタックして56"55、トータル1'52"41で、皆川としてはまあまあの10位でしょう。「今までだととにかくトップを目指してガムシャラに突っ込んで行きがちでしたけど、キッツからは試合の駆け引きというか、少し押さえてでもとにかくゴールすることを目標にして来ているのが効を奏しているのだと思います」。「抑え気味の滑りでどの位のポジションに行けるかの目安がこの2試合である程度掴めた」。みたいだそうです。我慢して待つことを覚えた?それだけ成長したと見るべきでしょうね、この10番は。

 6番スタートのハンス・ペーター・ブロースが1本目の貯金をキープしてトップで待つゴールに向かって、今日の1本目ラップ 、最終ランナーのベンジャミン・ライヒがスタートします。すでにウエンゲン・キッツと2連勝している だけに地元の期待は最高で、プレッシャーももの凄い物があるでしょう。「プレッシャーを悪者とは考えないで、それを自分の中で消化しきることで逆にパワーに変換する」。中間ラップが掲示されます。「スタート前ナーバスで前半にちょっとミスしたけど、コース上では余りにもコンサントレイトしているし、全てが一瞬のうちに過ぎ去るので、そのことも含めて外のことに気を使っている暇なんかない」。ほんの少しだけ貯金を吐き出しましたが、未だリードをキープしています。「ホップホップ・・・・」地鳴りのような大歓声にが沸き上がるゴールに向かって飛び込む。「ウオー〜・・・・・」もう形容のしがたい歓声と満足感で会場は大変な騒ぎです。前回のキッツではライバルのミスで勝利を貰ったような物でしたが、今回は自分の力で勝ち取った勝利だけに「ベニー」も「ゴールに入った時に受ける、大勢の観衆の声援は格別に嬉しかった」そうです。

 シュラドミングのナイトスラロームも観衆4万人も集める重要な大会として定着してきましたが、キッツのそれと比べるとちょっと垢抜けないと言うか、スマートさに欠けるものがありますね。最もキッツのキッツたる所以はスラロームではなくて、あの
股の間がキュッと縮まるようなシュトライフの滑降ですからね。