FIS ALPINE SKI WORLD CHAMPIONSHIPS 2001, ST.ANTON
アルペンスキー世界選手権大会 2001 サン・アントン(AUT)

Men's Slalom. 10/Feb/2001
Men's Slalom 1st/ mario Matt(AUT) 2nd/ Benjamin Raichj(AUT)
3rd/ Mitja Kunc(SLO) Men's Slalom Podium
10位・皆川賢太郎(日本体育大学) 19位・佐々木明(日本体育大学)

 オーストリアは世界選手権最終日の男子回転で金、銀独占を果たし、オーストリア国民の鬱憤を晴らした。

 当初予定していた回転コースは雪が柔らかく整備が不可能なため、急遽大回転コースの下部を使って行なわれることになった。本来のスラロームコースよりも中、緩斜面が多く、若干物足りないコース。観衆はなんと5万人。

 予定通り午前10時にスタートしたスラローム1本目、ベストタイムをマークしたのはベンジャミン・ライヒ(AUT)、続いてマリオ・マット(AUT)、ハインツ・シルヒエッガー(AUT)とオーストリア勢が並んだ。回転に全てをかけると宣言していたシェティール・アンドレ・オーモット(NOR)は4位。続いてライナー・シェンフェルダー(AUT)。オーストリアは出場した4人全てがトップ5に顔を揃えた。続いてマテヤシュ・ブルホブニック、ミチャ・クンス、ルネ・ムレクーズとスロベニア勢が並んだ。日本から出場した皆川賢太郎(日本体育大学)は11位、佐々木明(日本体育大学)が21位、木村公宣(ロシニョールジャパン)はスタート直後にリズムが合わずにコースアウト。佐々木は直前のヨーロッパカップで4位入賞の実績を買われて抜擢されたものである。

 2本目、おりからオーストリア訪問中のプーチン・ロシア大統領が観戦する中、午後1時30分スタート。

 9番目にスタートしたミチャ・クンスがベストタイムをキープし上位3人を迎える。1本目3番手のシルヒエッガーがクンスのタイムに及ばずクンスのメダル獲得が決定。驚喜するスロベニアチーム。マリオ・マットがスタート。これまでワールドカップで2回コースアウトしているだけに心配されたがノーミスでゴール。トップに躍り出た。最後のベンジャミン・ライヒを待つ。ワールドカップ3連勝中のライヒ、若干の失敗もあってマットに100分の15及ばず2位。これでオーストリアの金銀が確定し、オーストリアは面目を保った。

 皆川は2本目4番目のタイムで10位をキープした。佐々木は順位を上げ19位でゴール。ワールドカップを含めビッグイベント初出場でこの成績は驚嘆に値する。驚異の新人の登場である。前日の女子大回転での柏木久美子の16位とあわせ十分な成果を上げた我がジャパン・アルペンだった

 1位・マリオ・マット
 地元のアールベルグ・スキークラブに所属。マツトの家はサン・アントンから数キロメートルの所にあり、父は民宿、アパートを経営し、弟はまだ小学生。21歳でレース同様に超スピードでチャンピオンの座を獲得した。1年前のキッツビュエールで47番スタートから初勝利を上げたとき、「世界選手権に出られればいいと思うけど」とつぶやいていたがその夢を今日実現させたわけだ。このクールな選手はコンビの銀メダル獲得でも分かるようにダウンヒルにもひそかに意欲を燃やす。次回の志賀高原ワールドカップはみもの。
  「5万人の大観衆の前で、しかも自分のゲレンデでスラローム金メダルを獲得できたことは言葉に尽くしがたい感激です」。

 2位・ベンジャミン・ライヒ
 「コースセツトは簡単だつたのに2本目の失敗、それからみれば銀メダルを取れたことに満足しています。たしかにGSのあとプレッシャーは感じました。しかし、スポーツにはそれは当然ついてまわるもの、我々はともに歩み、消化していくものだと思います。明日、日本へ発ちます。そして、マリオに復讐(笑い)」。

 3位・ミチャ・クンス
 「チームはユーレのインフォメイションを守って懸命に闘った。しかし、オーストリアには歯がたたなかつた。スロベニアがなぜスラロームに強いかですが、スキースポーツは人口200万人の国民全体の支持をうけ、子供のときから組織化された良い環境の下でレーサーを目指すことが出来るからです。反面、スピード系種目は山もなくスキー場も適さないために、みんなスラローマーになるわけです」。

 10位・皆川賢太郎
 「初めての世界選手権で結果はこの程度かとも思いますが、コースがワールドカップのようにもつと複雑だつたら、違った顔触れが並んで、レースそのものはもっと面白かつたと思います。くやしい、そういう感じがまず一番でした。これからはまずトップ”7”に入ってそのうえで優勝、そのためにトレーニングをやります。1年後には目標を達したいですね」。

 19位・佐々木明
 「ジュニア世界選手権の回転には勝つつもりで出場して心外の6位でした。ワールドカップにはまだ出たことがないのですが、こんな大勢の観衆の前で初めてレースをやりました。いいえ、圧倒されたのじやなくて、いいなぁ、とやる気がでました」。

 木村公宣
 既にビッグイベント8回目出場の木村公宣だが、リズムに乗れず4旗門で棄権した。
 「機会を逃したこと、ここは志賀よりも重要だったんですが、残念に思っています」。

皆川賢太郎 佐々木明 観戦するプーチン・ロシア大統領

 今回の世界選手権の最大の問題点は全体にコースが柔らかく、選手にとって不公平なレースになったことだろう。まともな堅いコースを使ってレースが行なわれたのは最初の男女スーパーGだけだった。コーチ会議では絶えずこの問題が取り上げられ、FISとオーストリアスキー連盟との対立にまで発展した。またドイツチームのコーチからは「オフターシュワングの大回転レースがキャンセルになったのになぜここはキャンセルにならないのか、ここのコースの方がもっと条件が悪い」と執拗に食い下がるシーンもあった。O.K側はこれに答えられなかった。

 コースが柔らければ硬雪剤の使用も可能なのだが、実はオーストリアチームが事前にここのコースを使ってトレーニングを繰り返していた際に大量の硬雪剤を使用し、その後遺症でもう硬雪剤が利かなくなっていたのである。

 なにはともあれトータル27万人の観客を集めて行なわれた第36回世界選手権大会は終了した。

Men's Slalom. 10/Feb/2001
Rank Bib Name Nat. 1st run 2nd run Final SKI
1 5 MATT Mario AUT 50.22 49.44 1:39.66 SA
2 2 RAICH Benjamin AUT 50.18 49.63 1:39.81 AT
3 10 KUNC Mitja SLO 51.52 48.84 1:40.36 EL
4 8 SCHILCHEGGER Heinz AUT 50.41 50.19 1:40.60 AT
5 28 MLEKUZ Rene SLO 51.62 49.08 1:40.70 VK
6 3 SCHOENFELDER Rainer AUT 51.47 49.39 1:40.86 AT
7 1 AAMODT Kjetil Andre NOR 51.27 49.67 1:40.94 NO
8 11 KOSIR Jure SLO 51.91 49.10 1:41.01 RO
9 13 BOURGEAT Pierrick FRA 51.69 49.60 1:41.29 RO
10 17 MINAGAWA Kentaro JPN 52.00 49.53 1:41.53 SA
11 7 FURUSETH Ole Christian NOR 52.50 49.19 1:41.69 NO
12 9 AMIEZ Sebastien FRA 52.26 49.72 1:41.98 SA
13 39 GRANDI Thomas CAN 52.61 49.45 1:42.06 .
14 15 EBERLE Markus GER 52.67 49.50 1:42.17 VK
15 26 ROCCA Giorgio ITA 52.90 50.81 1:43.71 NO
16 12 BAXTER Alain GBR 52.68 51.16 1:43.84 HE
17 25 BERGAMELLI Sergio ITA 52.92 50.96 1:43.88 RO
18 31 LARSSON Markus SWE 53.28 50.79 1:44.07 RO
19 34 SASAKI Akira JPN 53.20 51.54 1:44.05 .
20 33 GANAHL Markus LIE 53.08 51.77 1:44.85 NO
21 27 SCHLOPY Erik USA 53.48 51.39 1:44.87 AT
22 16 VON GRUENIGEN Michael SUI 53.24 51.65 1:44.89 FI
23 36 SIMONCELLI Davide ITA 53.24 51.73 1:44.97 SA
24 21 CASANOVA Marco SUI 53.52 51.89 1:45.41 ST
25 32 LIZEROUX Julien FRA 54.24 51.89 1:46.13 DY
26 29 LLORACH Gaetan FRA 53.80 52.37 1:46.17 SA
27 38 HAYER Stanley CZE 54.33 52.66 1:46.99 .
28 65 PUCKETT P Casey USA 54.91 52.22 1:47.13 AT
29 51 KALWA Michal POL 55.57 52.77 1:48.34 SA
30 50 OOSTERBAAN Rogier NED 54.76 53.68 1:48.44 .
31 59 PODGORNY Wojciech POL 56.30 53.49 1:49.79 .
32 58 RAJCAN Michal SVK 56.47 54.25 1:50.72 VK
33 56 CIAGUNS Ivars LAT 56.74 55.52 1:52.26 .
34 60 PUMPALOV Angel BUL 57.15 55.53 1:52.68 .
35 68 HUDIK Maros SVK 58.28 57.13 1:55.41 .
36 73 SKRIABIN Nikolay UKR 59.54 57.12 1:56.66 .
37 64 BYON Jong Moon KOR 59.77 57.54 1:57.31 .
38 69 HEIMSCHILD Ivan SVK 59.96 58.14 1:58.10 HE
39 57 DICKSON Michael AUS 1:00.14 58.65 1:58.79 .
40 78 STRISIK Yri UKR 1:00.77 58.45 1:59.22 .
41 62 HARDENBERG Arne DAN 1:00.56 59.36 1:59.92 .
42 83 CHRISTODOULOU Theodoros CYP 1:03.47 1:02.13 2:05.60 .
43 79 VINCZE Peter HUN 1:04.22 1:02.42 2:06.64 .
44 89 HAMIT Sare TUR 1:05.83 1:04.11 2:09.94 .
45 81 SALAME George LIB 1:06.44 1:03.76 2:10.20 .
46 87 YURDAKUL Volkan TUR 1:07.43 1:04.70 2:12.13 .
47 88 BAKRADZE Tengiz GEO 1:08.85 1:03.35 2:12.20 .
48 91 HAROUTIUNIAN Arsen ARM 1:09.56 1:05.85 2:15.41 .
49 94 KOLOTILIN Aleksandr UZB 1:09.26 1:07.01 2:16.27 .
50 95 SPECK Gregory LUX 1:09.08 1:08.08 2:17.16 .
51 97 HAROUTYUNIAN Seryan ARM 1:11.02 1:07.57 2:18.59 .
52 92 YESILOVA Erkan TUR 1:11.24 1:08.41 2:19.65 .
53 90 LAST Eyal ISR 1:08.15 1:13.27 2:21.42 .
54 99 HAROUTIUNIAN Artur ARM 1:12.19 1:11.49 2:23.68 .
55 102 VON HOHENLOHE Hubertus MEX 1:20.41 1:05.80 2:26.21 .
56 96 KALIKIN Igor KGZ 1:16.88 1:14.76 2:31.64 .

各国メダル獲得数
GOLD SILVER BRONZ TOTAL.
Rank Nat. Women Men W + M Women Men W ; M Women Men W + M Women Men W + M
1 Austria 1 2 3 2 4 6 1 1 2 4 7 11
2 Switzerland 1 1 2 - - - - 1 1 1 2 3
3 France 1 - 1 1 - 1 - 1 1 2 1 3
. Norwey - 1 1 - 1 1 1 - 1 1 2 3
5 Germany 1 - 1 - - - 1 1 2 2 1 3
6 Sweden 1 - 1 - - - 1 - 1 2 - 2
7 USA - 1 1 - - - - - - 1 - 1
8 Italy - - - 2 - 2 1 - 1 3 - 3
9 Slovenia - - - - - - - 1 1 - 1 1