| "Audi" FIS ALPINE SKI World Cup 2006/07 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| 総括:アルペンスキー・ワールドカップ 2006/07 新鋭の活躍で幕を閉じた41周年ワールドカップ |
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| アルペンスキー・ワールドカップ2006/2007は3月18日、スイス・グラウビュンデン県のレンツェルハイドで幕を閉じた。41回目の総合優勝は男子がノルウェーのアクセル・ルンド・スヴィンダル(24歳)、女子はオーストリアのニコール・ホスプ(23歳)だった。どちらも初めての総合Vのタイトルである。総合優勝者に代表されるように若手の活躍が目立ったシーズンだった。 今季ワールドカップは10月下旬の開幕戦(オーストリアのソールデン)が、直前の大雨でコース整備がままならず、突然中止になった。これが波乱のワールドカップ2006/07の幕開けである。1994年から始まった氷河での開幕戦が中止になったのは今回で10回の歴史の中で初めての出来事。 実質上の開幕戦は11月11、12の両日、フィンランドの北極圏に位置するレヴィで行なわれた。男女のスラロームだった。当地でのワールドカップ開催は、女子は過去2回の実績があるが、男子はこれが初めて。この時期の男女同時開催も初めてである。 男子はベンジャミン・ライヒ(AUT)、女子はマルリース・シールド(AUT)がそれぞれ今季最初の勝利を治め、今後の順調な推移を予感させたのであったが…… 男女ともに雪不足や天候不順のために会場の変更が相次ぎ、一時は中止が多く発生することも懸念されたが、開幕戦のソールデンの男女大回転を除いて、予定されたレースは他の会場などで何とか消化出来た。地球規模での温暖化現象が取りざたされ、今後のスキー競技に暗い影を落としている。 まず男子から今季の推移を追ってみよう。 |
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■総合優勝 “アタッキング・バイキング”の継承者、アクセル・ルンド・スヴィンダル(NOR) ![]() World Cup 2007, Overall Champion / Aksel Lund Svindal (NOR)
スヴィンダルは今季全部で36戦あった男子レースのすべてに出場したただ一人のレーサーである。ビーバー・クリーク(USA)のスーパー・コンビとヒンターストッダー(AUT)の大回転で勝ち、そして圧巻は最終戦・レンツェルハイド(SUI)での大活躍である。滑降、スーパーG、大回転に3連勝し、ハットトリックを達成して総合優勝を確実なものにした。最後のレースのスラロームでは得点加算ぎりぎりの15位に粘り、総合優勝を達成した。ノルウェーの総合優勝は1999年にラッセ・シュースが達成して以来、実に8年ぶりの快挙である。 アクセル・ルンド・スヴィンダルは1982年12月16日、ノルウェーのシェラー生まれ、24歳。身長:1メートル95センチ、体重:95キロの巨体から繰り出すテクニックは豪快そのものだが繊細だ。昨シーズンは総合で2位、スーパーGで総合タイトルと驚異的な成長を見せたが、今季はさらに安定感が加わり、スラロームを除く4種目で勝利を挙げ、種目別大回転とスーパー・コンビでも総合タイトルを獲得した。ラッセ・シュース、シェティール・アンドレ・オーモットの後を引き継ぐ“アタッキング・バイキング”の復活である。 最後まで競ってきたベンジャミン・ライヒの最終戦での大回転の取りこぼしがライヒの敗北の原因である。こういう取りこぼしが今季のライヒには多く目立った。最後のレースのスラロームで圧倒的な勝利を挙げたライヒだったが時すでに遅かった。 スヴィンダルは今季優勝5回、他にオーレ(SWE)で行なわれたアルペンスキー世界選手権では滑降と大回転の2種目で金メダルを獲得した。ベンジャミン・ライヒはワールドカップ6勝で世界選手権はスーパー・コンビの銀1個。やはりスヴィンダルは王者に相応しい成績だったといえる。 今季は全36戦があったと先に書いた。ここで勝者の内訳を見てみよう。 勝者の数は合計20人。 ベンジャミン・ライヒ(AUT)=6勝、Levi-SL, Adelboden-GS, Schladming-SL, Kranjska Gora-GS, Kvitfjell-SC, Lenzerheide-SL アクセル・ルンド・スヴィンダル(NOR)=5勝、Beaver Creek-SC, Hinterstoder-GS, Lenzerheide-DH, SG, GS ボーディ・ミラー(USA)=4勝、Beaver Creek-DH, Val Gardena-SG, Hinterstoder-SG, Wengen-DH マリオ・マット(AUT)=3勝、Wengen-SC, Garmisch-SL, Kranjska Gora-SL ミヒャエル・ワルヒホッファー(AUT)=2勝、Bormio-DHx2 イェンス・ビッグマルク(SWE)=2勝、Kitzbuhel-SLx2 後は各1勝ずつで、 マルコ・ビューヒェル(LIE)、Lake Louise-DH ジョン・クチェラ(CAN)、Lake Louise-SG マッシミリアーノ・ブラルドーネ(ITA)、Beaver Creek-GS アンドレ・ミーラー(SWE)、Beaver Creek-SL イヴィツァ・コステリッチ(CRO)、Reiteralm-SC スティーブン・ナイマン(USA)、Val Gardena-DH カレ・パランダー(FIN)、Alta Badia-GS マルクス・ラルション(SWE)、Alta Badia-SL マーク・ベルトー(SUI)、Adelboden-SL ピエール・エマニュエル・ダルサン(FRA)、Val d'Isere-DH アンドレイ・ジェルマン(SLO)、Garmisch-DH-I エリック・グェイ(CAN)、Garmisch-DH-II ディディエ・キューシュ(SUI)、Kvitfjell-DH ハンス・グルッガー(AUT)、Kvitfjell-SG 以上20人である。 このうちワールドカップ初優勝は、ジョン・クチェラ(24歳)、アンドレ・ミーラー(24歳)、スティーブン・ナイマン(25歳)、マルクス・ラルション(28歳)、マーク・ベルトー(23歳)、ピエール・エマニュエル・ダルサン(30歳)、イェンス・ビッグマルク(21歳)、アンドレイ・ジェルマン(28歳)、エリック・グェイ(26歳)の9人であった。 最年長優勝はレーク・ルイーズ(CAN)の滑降で勝ったマルコ・ビューヒェル(LIE)で35歳、最年少優勝者はキッツビューエル(AUT)のスラローム2連勝で華々しくデビューしたイェンス・ビッグマルク(SWE)の21歳である。 ベテラン勢と新人群の勢力図が拮抗し、明らかな新旧交代とは言えないまでも、やはり上がってくる者の力が明らかに強いということを印象づけた。来季は新人群がベテラン勢を凌駕するだろう。 来シーズンは世界選手権もオリンピックもない谷間のシーズン。この谷間のシーズンには、FISの全種目を一カ所のエリアで開催する“スーパー・ファイナル”がある。現在の予定はボルミオ(ITA)かサン・モリッツ(SUI)が予定されている。ワールドカップだけがターゲットになるだけに、初めから白熱したレースが展開されるだろう。 現在のところ日程が決まっているのは次の通り
また今季の最終戦が行なわれたレンツェルハイドは、「今後1年おきに最終戦を行なう」ことを宣言した。 カレンダーの詳細は5月23〜27日、スロベニアのポルトロッツで行なわれるFISカレンダー会議で決定される。 |
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■男子滑降 ディディエ・キューシュ(SUI)、執念のタイトル獲得。日替わり優勝を制す |
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![]() World Cup 2007 Men's Downhill, 1st / Didier Cuche (SUI)
男子滑降は今季全11戦が行なわれた。天候不順で当初の予定通りには中々開催が出来なかったが、なんとか予定の本数はこなすことが出来た。勝者はレースごとに入れ替わるという混戦だった。 種目別総合優勝はディディエ・キューシュ(SUI)。11年のキャリアで初の受賞である。だが勝ったのはクビットフィエル(NOR)の1回のみ、2位が4回の結果である。 2位にしぶといマルコ・ビューヒェル(LIE)、初戦のレーク・ルイーズ(CAN)で勝利。35歳になったばかりで、ステファン・エバハルター(AUT)の34歳11ヶ月の記録を抜いて最高齢での優勝レコードを達成した。 3位は新鋭のエリック・グエイ(CAN)、第9戦のガルミッシュ(GER)第2戦で勝利。ワールドカップ初優勝である。 イタリアのオールラウンダー、ペーター・フィルが4位にランクされた。勝ち星はなかったが、常に上位を脅かした。 ボルミオ(ITA)で2連勝したミヒャエル・ワルヒホッファー(AUT)が5位。 ガルミッシュ(GER)Tでスロベニアに初の滑降優勝をもたらしたアンドレイ・ジェルマン(SLO)が6位。 8位にビーバー・クリーク(USA)とウェンゲン(SUI)で勝ったボーディ・ミラー(USA)。 バル・ガルデナ(ITA)で初優勝を挙げたスティーブ・ナイマン(USA)は10位。 地元のバルディゼール(FRA)で勝ったピエール・エマニエル・ダルサンは総合13位だった。 総合優勝のディディエ・キューシュ 「今季始めには滑降のタイトルなんて考えもしなかった。自国で大勢の観衆の声援を受けてこんなに嬉しいことはない(と男泣き)。スタートでブルーノの転倒は聞いたが詳しいことは知らせてくれなかった。まともに聞いたら自分の膝だって硬直したかもしれない。世界選手権では思ったようなレースは出来なかった。その後滑降は自分のリミットをかけることができる種目だと自信を持つことが出来た。今日ある自分は一人だけでなく皆の支持を得て出来たことだと感謝している」。 総合2位のマルコ・ビューヒェル(LIE)は、「種目別の総合2位はこれで二回目。今季は優勝を狙っていた。しかし、デディは彼なりにケガの復帰からのすごい努力が報われたんだ。自分のことのように嬉しい」、と語った。 |
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| ■男子スーパーG 打たれ強いボーディ・ミラー(USA)、スーパーGのタイトルを確保 |
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![]() World Cup 2007 Men's Super-G, 1srt / Bode Miller (USA)
男子スーパーGは全5戦が行なわれた。 バル・ガルデナ(ITA)とヒンターストッダー(AUT)で勝ったボーディ・ミラーが総合優勝を達成。 勝ち星はなかったが順調に上位をキープしたディディエ・キューシュ(SUI)が2位。 3位には初戦のレーク・ルイーズ(CAN)で勝ったジョン・クチェラ(CAN)。ワールドカップ初優勝。“クレージー・カナック”の復活である。 2位2回のマリオ・シャイバー(AUT)が4位、最終戦で勝ったアクセル・ルンド・スヴィンダル(NOR)が5位に入った。 もう一つはヨハン・グルッガー(AUT)がクヴィットフィエル(NOR)で勝ったが総合ランキングは12位に留まった。グルッガーは怪我からの回復が遅れた。 この種目に関しては廃止してはどうかという意見がFIS内部から出ている。言い出したのはFISワールドカップディレクターのギュンター・フヤラ氏だったから波紋が広がった。選手やチームは次の世界選手権や次のオリンピックにスケジュールされている種目を廃止すべきではないという意見が多く、この問題は次のFISカレンダー会議(5月、スロベニア)で討議されることになろう。 ボーディ・ミラー(USA) 「ダウンヒルではないから勝たなければならないというリスクをかけずに、リズミカルにレースをやった。ああ、コースセットがそうだったんだ。スーパーGのトロフィーはこれで2回目、前回とは異なった感激もある。シーズン初めにはスピード系のトレーニングを多くやっていた。今季自分のスラロームは実にひどい結果だった。なぜだか自分でも不可解なことで説明できない(困ったように笑った)」。 この記者会見で「来季にはスキーを変える予定だ、どの板になるかはまだ発表は出来ない」という爆弾発言があった。 また、「今季限りで引退するという発言がシーズン初めにあったが」という記者の質問には、「まだ、はっきり決めていないんだ」と煮え切らない返事だった。じゃ来季もまたお会いしましょうと言うことでケリ。 |
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