"AUDI" ALPINE FIS SKI WORLD CUP 2006/07
Men's 4th Slalom. Adelboden (SUI). 07,Jan,2007
マーク・ベルトー(SUI)、ゼッケン60、1本目27位から26人抜きの大金星
男子回転第4戦、アーデルボーデン(SUI)、2007年1月7日
Adelboden(SUI), Men's Slalom-Podium. (L-R) 2nd / Benjamin Raich, 1st / Mark Berthod, 3rd / Mario Matt.
Adelboden (SUI), Men's Slalom, 1st / Mark Berthod (SUI)
2nd / Benjamin Raich (AUT) 3rd / Mario Matt (AUT)

 男子スラローム第4戦、アーデルボーデン(SUI)で奇跡が起きた。60番スタート、地元スイスのダークホース、マーク・ベルトー(23歳)が、1本目27位から2本目にベストタイムを奪い、なんと26人のごぼう抜きで初優勝を飾ったのである。イヴィツァ・コステリッチ(CRO)が2001年11月にアスペン(USA)で64番スタートから初優勝を挙げているから新記録ではないが、スラロームでは史上2番目の記録である。だが1本目27位からの大逆転は新記録だ。スイス男子のスラロームの勝利は1999年にクラニスカ・ゴラ(SLO)でのディディエ・プラッシィ以来7年ぶりである。

 雨の降りしきる中で行なわれた1本目。セッターはイタリアのマッシモ。標高差200mに60のゲートがセットされた。天候は後に晴れるのだが条件の悪いときにスタートした第1シードから6人がコースアウトした。後半にあるウェンゲン並みの急斜面が選手達を悩ませる。

 ゼッケン1番、アルタ・バディア(ITA)で勝っているスウェーデンのマルクス・ラルション(27歳)が55秒14のベストタイム。2位に昨日の大回転で今季2勝目を挙げたオーストリアのベンジャミン・ライヒ(28歳)が5/100秒差で付ける。3位にアルタ・バディア(ITA)のGSで勝ったフィンランドのカレ・パランダー(29歳)が0秒26差で付けた。4位に今季調子を上げているスーパー・マリオU、オーストリアのマリオ・マット(27歳)、0秒34遅れ。5位に今季まだ勝ち星のないスイス生まれのイタリア人、ジョルジオ・ロッカ(31歳)、0秒66遅れ。6位に'01年の志賀高原の王者、ピエリック・ブルジャ(30歳)、0秒81遅れ。ここまでが1秒以内である。普通なら2本目もこれで順調に決まりだろうと誰もが思う。佐々木明(TCS)は1秒48遅れの12位に付けた。

 2本目はアメリカのモリンが62のゲートをセットした。ターニングゲートは61。気温は低くならず+6℃、晴れてはいるが朝の雨の影響で所々ガスがかかっている。

 1本目27位で2本目は4番スタートのマーク・ベルトーが52秒28という、このコースにしては驚異的なタイムでトップに立った。トータル1分47秒42。だが1本目はトップのラルションに2秒76のタイム差があり、本人も含めて誰もがこれで勝てるとは思ってもいなかっただろう。
 だが奇跡は起きたのである。後続の誰もがこのタイムを抜くことが出来なかった。

 マーク・ベルトーは1983年11月21日、スイス・サン・モリッツ生まれ。2001年にスイス・ナショナルチームに入り、2003年、モン・ジュネブル(FRA)で行なわれたジュニア世界選手権のスラロームで優勝。今季はBカーダーに指定されていた。

 今季ビーバー・クリークのスーパー・コンビで2位に入っているが、単独種目では'05年に当所の大回転での7位が最高成績だった。スラロームでは昨シーズンの当所での17位が最高である。今日の1位はやはりミラクルと呼ぶべきものだろう。

 2本目、2位のタイムをマークしたのは58番スタートで1本目18位に付けたイタリアのマンフレッド・モェルグ(24歳)、53秒81。トータル1分48秒11で7位に浮上した。

 1本目2位のベンジャミン・ライヒは2本目、前半で若干のミスはあったが後半は完璧な滑り、だがタイムが意外と延びず2位に留まった。2本目のタイムは20位という情けない結果だった。

 1本目トップのマルクス・ラルションは2本目は22位のタイムで5位に後退した。1本目4位のマリオ・マットが3位、1本目5位のカレ・パランダーが4位、1本目5位のジョルジオ・ロッカが6位。

 1本目11位に付けていたアメリカのボーディ・ミラー(29歳)は2本目は上部で失敗してDNF。総合トップ争いを演じていたアクセル・ルンド・スヴィンダル(NOR)は1本目にコースアウト。スヴィンダルの暫定トップは変わらないが、ボーディがもたもたしている間にディディエ・キューシュ(SUI)が2位に浮上してきた。ボーディ・ミラーのラストシーズン、これからの復調に期待しよう。

佐々木明(チーム・ティーシーエス)・14位 湯浅直樹(スポーツアルペンSC)・1本目、DNF 花田将司(北海道東海大)・1本目、55位
Photo: Hiroyuki SATO
 佐々木明は2本目17位のタイムでトータル14位だった。次のレースは、'03年に65番スタートから2位に入賞した験のよいウェンゲン(SUI)である。スタートも7番以内が決まった。期待しよう。

 28番でスタートした湯浅直樹(スポーツアルペンSC)は1本目、2回の失敗でDNF、74番でスタートした花田将司(北海道東海大)は1本目大差の55位でゴール、ファイナリストになるにはまだ経験が必要だ。

※スタート順を決めるWCSL(ワールドカップ・スターティング・リスト)は佐々木明が7位で次のウェンゲンはトップ7でのドローになる。湯浅直樹はWCSLは38位に落ちた.。31番以降はFISポイント順のスタートになるので30番台でのスタート順になるであろう(現在FISポイントは42位)。 
Men's 4th Slalom, Result
Rank Bib Name Year Nat. Run 1 Run 2 Total Time
 1  60 BERTHOD Marc  1983  SUI   55.14  52.28  1:47.42
 2  2 RAICH Benjamin  1978  AUT   52.43  55.25  1:47.68
 3  12 MATT Mario  1979  AUT   52.72  55.08  1:47.80
 4  5 PALANDER Kalle  1977  FIN   52.64  55.18  1:47.82
 5  1 LARSSON Markus  1979  SWE   52.38  55.59  1:47.97
 6  6 ROCCA Giorgio  1975  ITA   53.04  55.06  1:48.10
 7  58 MOELGG Manfred  1982  ITA   54.30  53.81  1:48.11
 8  19 BYGGMARK Jens  1985  SWE   53.44  54.80  1:48.24
 9  15 JANYK Michael  1982  CAN   53.93  54.47  1:48.40
 10  21 ALBRECHT Daniel  1983  SUI   54.34  54.33  1:48.67
 11  49 BANK Ondrej  1980  CZE   54.74  53.96  1:48.70
 12  45 LIZEROUX Julien  1979  FRA   54.51  54.31  1:48.82
 13  27 GRANGE Jean-Baptiste  1984  FRA   54.19  54.80  1:48.99
 14  13 SASAKI Akira  1981  JPN   53.86  55.18  1:49.04
 15  41 ENGL Kurt  1979  AUT   55.05  54.20  1:49.25
 16  22 DEVILLE Cristian  1981  ITA   53.58  55.71  1:49.29
 17  43 DRAGSIC Mitja  1979  SLO   55.31  54.03  1:49.34
 18  14 NEUREUTHER Felix  1984  GER   53.65  55.85  1:49.50
 19  38 LAHDENPERAE Anton  1985  SWE   54.68  54.84  1:49.52
 20  34 HARGIN Mattias  1985  SWE   55.25  54.41  1:49.66
 21  44 BAUMANN Romed  1986  AUT   55.23  54.49  1:49.72
 22  37 VALENCIC Mitja  1978  SLO   54.43  55.57  1:50.00
 23  39 GINI Marc  1984  SUI   54.12  56.57  1:50.69

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