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TORINO 2006
2006 OLYMPIC WINTER GAMES |
Alpine Skiing
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Men's Downhill, Sestriere Borgata, 12,Feb,2006
男子滑降、セストリエール・ボルガータ、2006年2月12日 |
| アントワーヌ・デネリア(FRA)ボルガータを制す、ワルヒホッファー(AUT)痛恨の2位 |
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| Torino OWG06 Top3, (L-R) 2nd / Walchhofer(AUT), 1st / Deneriaz(FRA), 3rd
/ Kernen(SUI) |
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| 1st / Antoine Deneriaz (FRA) |
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| 2nd / Michael Walchhofer (AUT) |
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| 3rd / Buruno Kernen (SUI) |
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大会3日目、2月12日、アルペンのトップを切って男子滑降が行なわれた。綺麗に晴れ上がったセストリエール・ボルガータのダウンヒルコース。1997年に行なわれた世界選手権の際に使われたのと同じコースである。コース全長:3299m、標高差:914m、スタート・標高:2800m、ゴール:1886m。ワールドカップでは現在使われてはいないが、ヨーロッパ屈指のダウンヒルコースである。
優勝したのはフランスのベテラン、アントワーヌ・デネリア(29歳)。前日の最終トレーニングでベストタイムをマークし、30番のスタートからただ一人1分48秒台をマークしての快挙である。優勝タイムは1分48秒80。途中のスプリットを全て塗り替えての完勝であった。デネリアは昨シーズン、シャモニー(FRA)の滑降で転倒、靱帯を断裂してシーズンを棒に振ったが、満を持しての見事な復活優勝である。フランスがオリンピックの滑降で金メダルを獲得したのは、1998年の長野でジャン・ルック・クレティエが獲得して以来2大会ぶり5回目。
2位には10番スタート、今季ワールドカップで2勝を挙げ、優勝候補の筆頭だったオーストリアのミヒャエル・ワルヒホッファー(30歳)。世界選手権では'03年のサン・モリッツ(SUI)ですでに金メダルを獲得しているがオリンピックではまだない。30番スタートのデネリアが来るまでトップをキープしていたが、レース巧者のフランス野郎に夢を砕かれた。0秒72の差は完敗と言えるだろう。
3位に、'97年にこのコースを使って行なわれた世界選手権で金メダルを獲得しているスイスのブルーノ・ケルネン(33歳)が食い込んだ。デネリアに1秒02差。最近の滑降では珍しく大差が付いた。この銅メダル獲得でケルネンは心おきなく引退出来るだろう。
メダル・コレクター、ノルウェーのシェティール・アンドレ・オーモット(34歳)が4位。5位にアメリカの韋駄天、ボーディ・ミラー(28歳)、6位に“ハーミネーター”ヘルマン・マイヤー(33歳)が入った。
リヒテンシュタインのベテラン、マルコ・ビューシェル(34歳)が7位、今季絶好調、前回ソルトレークの覇者、フリッツ・ストローブル(33歳)は8位だった。今季限りで引退を表明しているアメリカのダロン・ラールブス(32歳)は優勝の呼び声高かったが10位に終わった。
このレースに日本チームからの出場はなかった。
| 見谷昌禧のプロフェッショナルの視点・オリンピック篇 |
このレースでフランスのアントワーヌ・デネリア選手が奇跡を起こして優勝を飾った。彼の優勝を本人以外は誰一人として予想だにしていなかったと思う。ところでフランスチームはオリンピックの滑降種目で1998年の長野オリンピックでも奇跡を起こしている。優勝したジャン・ルック・クレティエ選手も優勝候補には上げられていなかった。フランスチームが、ここ一発勝負に力を発揮出来る要因の解明はいまだに出来ていない。今回のデネリア選手が優勝した要因については後で述べることにしたい。
このレースの展開について述べておこう。
滑降レースは快晴のもと最高のコンディションで行なわれた。予想ではオーストリアチームとアメリカチームのガチンコ勝負と見られていたが、結果は予想外のフランスチームの勝利で終わった。
コースプロフィールから見て難しいコースではないことから誰にでも勝つチャンスがあった。またこのコースでのレースはワールドカップの滑降レースはスケジュールに組み込まれていないので、滑った経験のある選手が少なく誰にでも勝つチャンスがあることからも興味深いレースとなった。
このレースの勝負所は3カ所あった。一つめは、コース前半と後半にある高速ターンを如何にスムースに滑り抜けるか。二つめは、各所にあるジャンプを跳びすぎてタイムロスをしないこと。三つ目は、コース中半の長い緩斜面で如何にスキーを走らせることが出来るか。レース展開から長い緩斜面のスキーの走りと各所の高速ターンの仕上げ方で勝負は決まった。
4番スタートのオーストリアのフリッツ・ストローブルが、オリンピックの滑降レース2連勝を掛けてスタート。結果から見て、スタート順が早すぎてスキーの走りが良くない。雪質が柔らかいことを見越してか、早いビブを選択したことが作戦の失敗で圏外に去った。また、本命視されていた同僚のミヒャエル・ワルヒホッファーは、誰よりも果敢な滑りをしてゴールした時点でトップのタイムを出し、絶対に優勝間違いなしと誰もが思ったことであろう。負けた要因をあえて探すとしたら、ストロールツ同様に早いスタート順を選んだことだ。だが実力ナンバーワンだけあって、緩斜面でのスキーの走りが悪くても、体重の重さと可能な限り体を小さくしたクローチング・フォームをとって2位を確保したことは驚異だ。
一方ライバルのアメリカチームもオーストリア同様に早いスタートナンバーを選択。ボーディ・ミラーはビブナンバー18、前半から中盤までは素晴らしい滑りで緩斜面の部分の滑りは最速の127.8キロをマークした。だが後半での滑りではフォームが高く風圧を受けすぎてタイムロスを犯してしまった。
ダロン・ラールブスは絶好調でセストリエール入りした。トレーニングランでもベストタイムを出しており、ワルヒホッファーと互角の勝負をすると予想されたが、全体に体のキレが悪かった。失速した原因は何だったのか。早く滑ろうとする焦燥感が優先してしまい、スキーの踏み込みの動きが不足して、スキーの走りを鈍らせてしまったのであろう。
レースはビブ30番のアントワーヌ・デネリア選手がスタートするまで、20番台の選手達はワルヒホッファーのタイムを上回ることはなかった。ワルヒホッファーの優勝までにはデネリア選手一人を待つだけになった。彼は前日の最終トレーニングでベストタイムを出しているだけに調子を一番上げてきている選手。彼がゴールするまでは優勝者は決まらない。途中経過は素晴らしく早くワルヒホッファーと接戦状態が続く。さらに後半でフォームを小さくしながら高速ターンを仕上げてタイムを短縮した滑りは勝者に相応しい。ゴールインするまで、ターンテクニックの切れの良さとスタミナを持続出来たのが勝因である。彼のレース展開を見るに付け、実力なくして優勝はあり得ない事を証明させられた。
この滑降レースでは、偶然であろうが30代の年齢のベテランが大活躍した。ターンの多いコースだけに、各ターンの始めのターンの入射角を正確に取りながら、後のターンに対して余裕を持った滑りを引き出すことの出来るテクニックを駆使したベテランの技に1日の長があった。
1位 アントワーヌ・デネリア(フランス)
今季ワールドカップでの勝利がないだけに誰もがマークしてはいなかったことであろう。だがトレーニングランの3日目にベストタイムを出して本番のレースでは30番のスタート。この時点で優勝に一番近い選手であることの証明になるのであるが、雪質の関係で得てして最終トレーニングランでゴール前で体を起こしてタイムロスをあえて行ない、本番のレースで早いスタートナンバーを得る作戦もある。その作戦に出たのがオーストリアチームでありアメリカチームであった。先に述べたようにその作戦は自滅行為であったことを結果が証明した。フランスチームの作戦は、これまで好成績を残していないだけに、3日間共に全力投球して理想のライン取りを追求した。3日間コースをアタックしてベストタイムを出し、ようやく理想のラインを見つけ出した努力が優勝につながったのである。
2位 ミヒャエル・ワルヒホッファー(オーストリア)
今シーズン絶好調でセストリエール入り、勝って当然であった。滑りとしては実力を出し切ったが、スタート順の選択でミスを犯してしまった。運に恵まれなかったとしか言いようがない。だが、レースに於いては運も実力の内なのである。
3位 ブルーノ・ケルネン(スイス)
このコースでは'97年の世界選手権で優勝しているが、最後のシーズンで生涯で最高のレースを行なうことが出来た。オリンピックのメダルは初めて。ここまでレースを続けてきて良かったと思っていることであろう。
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| Rank |
Bib |
Name |
YoB |
Nat. |
Time |
| 1 |
30 |
DENERIAZ Antoine |
1976 |
FRA |
1:48.80 |
| 2 |
10 |
WALCHHOFER Michael |
1975 |
AUT |
1:49.52 |
| 3 |
14 |
KERNEN Bruno |
1972 |
SUI |
1:49.82 |
| 4 |
17 |
AAMODT Kjetil Andre |
1971 |
NOR |
1:49.88 |
| 5 |
18 |
MILLER Bode |
1977 |
USA |
1:49.93 |
| 6 |
15 |
MAIER Hermann |
1972 |
AUT |
1:50.00 |
| 7 |
28 |
BUECHEL Marco |
1971 |
LIE |
1:50.04 |
| 8 |
4 |
STROBL Fritz |
1972 |
AUT |
1:50.12 |
| 9 |
25 |
STAUDACHER Patrick |
1980 |
ITA |
1:50.29 |
| 10 |
20 |
RAHLVES Daron |
1973 |
USA |
1:50.33 |
| 11 |
22 |
DALCIN Pierre-Emmanuel |
1977 |
FRA |
1:50.35 |
| 12 |
3 |
GRUENENFELDER Tobias |
1977 |
SUI |
1:50.44 |
| 13 |
29 |
OSBORNE-PARADIS Manuel |
1984 |
CAN |
1:50.45 |
| 14 |
8 |
KJUS Lasse |
1971 |
NOR |
1:50.64 |
| 15 |
23 |
MACARTNEY Scott |
1978 |
USA |
1:50.68 |
| 16 |
11 |
BOURQUE Francois |
1984 |
CAN |
1:50.70 |
| 17 |
13 |
HOFFMANN Ambrosi |
1977 |
SUI |
1:50.72 |
| 18 |
6 |
SULZENBACHER Kurt |
1976 |
ITA |
1:50.84 |
| 19 |
27 |
NYMAN Steven |
1982 |
USA |
1:50.88 |
| 19 |
19 |
FILL Peter |
1982 |
ITA |
1:50.88 |
| 21 |
26 |
SVINDAL Aksel Lund |
1982 |
NOR |
1:50.90 |
| 22 |
21 |
KROELL Klaus |
1980 |
AUT |
1:50.91 |
| 23 |
12 |
GHEDINA Kristian |
1969 |
ITA |
1:50.98 |
| 24 |
16 |
BERTRAND Yannick |
1980 |
FRA |
1:51.37 |
| 25 |
2 |
MICKEL Finlay |
1977 |
GBR |
1:51.48 |
| 26 |
24 |
DEFAGO Didier |
1977 |
SUI |
1:51.51 |
| 27 |
7 |
KUCERA John |
1984 |
CAN |
1:51.55 |
| 28 |
32 |
JERMAN Andrej |
1978 |
SLO |
1:51.70 |
| 29 |
9 |
SOLBAKKEN Bjarne |
1977 |
NOR |
1:51.72 |
| 30 |
38 |
CHESTAKOV Pavel |
1980 |
RUS |
1:51.93 |
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Official Result |
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