ALPINE SKI WORLD CUP 1999/2000
70.INTERNATIONAL LAUBERHORN-SKIRENNEN
Wengen (SUI). Men's 6th Downhill, 15,Jan,2000
1st/J.Strobl 2nd/Maier 3rd/Pdivinski
1st/Josef Strobl(AUT) (↑Click) 2nd/Hermann Maier(AUT) 3rd/Ed Podivinsky(CAN)
Podivinski WengenMDH/Podium
今期2回目の表彰台をゲットしたエド・ポディビンスキー ウェンゲン滑降の表彰台。
左から2位マイヤー、1位ヨセフ・ストローブル、3位ポディビンスキー

 伝統のクラシック第2弾はウェンゲン(SUI)のラウバーホルン大会である。1万8000人観客が見守る中で70回目のダウンヒルを征したのはヨセフ「ペピ」シュトローブル(AUT)であった。16/100差の2位にヘルマン「ハーミネーター」マイヤー(AUT)、3位にはバル・ガルデナで3位の表彰台に立ったエド・ポディビンスキー(CAN)が入った。ペピ・シュトローブルの滑降勝利は'98年のクラン・モンタナ(SUI)最終戦以来の通算3勝目、ワールドカップ通算6勝目である。
 今回のダウンヒルは全長4408mで行なわれた(これまでは4260m)。コースの前半は完全にヘルマン・マイヤーがリードしていた。ゴール直前の最後の難所、'S'字ターンの地点で二人は並び、最後のジャンプでペピがヘルマンを抜いた。「初めから勝つつもりはなかった。6位入賞が目標だったから少し驚いている。ヘルマンに勝ったと云うことよりもこの長いコースを自分でエラー無くスーパーコンディションでやれたということの方に意義がある。世界一長いコースであるラウバーホルン、伝統あるクラシックレースで勝てたことを喜んでいる。キッツビューエルでも勝ってみせるよ。日本のみなさんによろしく、マイドアリッ!(これは日本語で)」と、優勝したペピは語った

☆☆☆鈴木勝=フジテレビ・コーディネーター=のスペシャル・レポート☆☆☆
 今回はウェンゲンに宿が取れなくて下のラウターブルンネンに泊まったんですが、滑降レースなので多少ゆっくりして10時くらいの電車に乗ろうとノンビリ駅に行ったら、やっぱり伝統のクラシックレースは滑降が人気あるんですよね。もうとんでもない観客で電車を総動員しているらしいんですが、もう全然間に合わない位混んでました。で、私めは多少ズウズウしく何時もの要領で勿論最初の奴に乗り込みましたけどね。
 ウェンゲンの駅前では例によってブラスバンドが騒々しくやってまして、普段はアイススケートリンクになってる中央の広場は、昨年もそうだったんですが、今年は更にテントも増えて奥に舞台を設置して、ドローイングなどやるんですが、その他一晩中バンドが入ってエンターテインメントをドンチャカやってるんです。その広場に隣接したホテルが「シルバーホーン」。町中のいい場所にあるホテルなんですが、これが何時もオーストリアチームの宿舎なんですね。余りの騒音に、広場と反対側の部屋にいるコーチやサービスマンは選手と部屋を交換したりして何とか睡眠確保をトライしたらしいんですが、ペピ・シュトローブルと相部屋のハンス・クナウスはそれでもダメで、マットレスを抱えて廊下で翌日のあの長〜いラウバーホーンのコースに備えたそうです。


ヨセフ・シュトローブル:
 彼のことを誰もがペピって呼ぶんですが、実は彼が生まれたとき親父さんがペピって命名したかったんだけど洗礼を受けるのに、牧師からそんな名前はクリスチャンネームに無いからヨセフにしろと言われて渋々ヨセフと命名したんだそうです。それでも家ではずっとペピと呼ばれているんだそうです。
 ここ2年間勝利がなかったんですが、
 「ヘルマンを差し置いての勝利だけに、余計に気分がいい。この2年間はとっても長く感じた。何時も焦りを感じていたし、自分はどちらかというと負けず嫌いなのでこのフラストレーションは耐えられないものがあった。」
 「今回の優勝はヘルマンに勝てたのもそうだけど、特にこの長くタフなコースで然も名門のクラシックコースでの優勝が嬉しい。最初にバルディゼールで勝ったときは(ゼッケン61番!)あまりにもあっけなかったたので印象が薄い」。
 トレーニングではヘルマンに100分の20秒離されてはいたけど何か特別の作戦を本ちゃんで用意したのか? 
 童顔のくりくり目玉でハニカミっぽく「マイヤーは勝った時に何時もあんまり良い滑りではなかったって言うけど、僕も真似して・・・・いや、本当に巧く滑れたんだ」。「別に特別の作戦なんか持ってなかったし、バルガルデナでもシャモニーでも僅差だったので何時もの通り自分のベストで滑ることに専念した。鍵となるパッサージュで巧く滑れたのが今日の勝因だと思う」。
 強力なチーム内で生き残るのは大変だろう?
 「常に6〜7人が優勝圏内にいるチームメイトの中で生き残るには自分を見失わないことが重要だと思う。確かに自分も一時はヘルマンを参考にしたこともあったが、自分は自分、常にベストで滑れる状態を維持することが、チームの中で生き残る道だと思う。」
 今年はオリンピックも世界選手権も無いが?
 「自分のホームでもあるチロルでもあるし、やはりダウンヒルの最高と言われるキッツビューエルで勝つことが今年の目標だ。」


ヘルマン・マイヤー:
 今日はペピに勝利をさらわれた格好になったが? 
 「キーポイント、特に中間部で多少スピードをセーブした分だけ遅れたんだと思う。だけどこの2番には十分満足している」。
 スピードをセーブしたと言うが?
 「勿論、前にもやっている。何時も100%のリスクで滑っているように見えるかも知れないが、最も有利なポジションでキーとなるパッサージュを通過するように心がけている。特にミスをしたときにはそのリカバリーのためにもコントロールが必要だ。今日はゴールすることを第一目標にしていた」。
 一部に最近のダウンヒルはSG的になりすぎると言う批判があるが?(スイスチームの選手がコンプレイン)
 「自分はそうは思わない。このラウバーホーンのコースは紛れもない滑降コースだ。SGのコースはもっとゲート間のセットが狭いし、もっと回している。今のダウンヒルは昔に比較して安全になってきているのは確かだが、今日も2〜3ひどい転倒があったのを見ても明らかなように、相変わらず難しいコースだ。」
 ゴールした時に完全に勝ったようなジェスチャーがあったが?(誰だこんなあほな質問する奴は。)
 「本命と目されている選手の後3番スタートで1秒23ものタイム差があったら誰だって勝ったと思うだろう。勿論スタート順位が若いからまだ抜かれる可能性は大いにあったがあの場合自分が圧倒的タイム差でリードしてたんだからそれが別に悪いことだとは思わないが?」
 キッツビューエルでの抱負は?
 「まだ2回しかあのコースを経験していないので、これからトレーニングで滑り込んでコースを把握するのが先だ。あのコースは経験とコースを熟知していることが重要だ。今年は調子がいいので今まで通りに滑るのが目標だ。」


エド・ポディビンスキー:
 確か今までの最高は9位だったと思うが?
 「その通り。自分でも驚いているくらいだ。トレーニングを含め非常によいスキーが出来た。スキーを今年変えたこともある。常に最高の物を持つのは基本だから。2分半もの長いコースでは最高のマテリアルで望まなければ勝てる分けないよ。」
 最強のオーストリアチームに割り入っての3位だが?
 「6〜7人も優勝できる選手がいるオーストリアチームに食い込むのは難しい。この連中に割り入って表彰台に立てたのは格別だ。今シーズン夏のトレーニングをカルガリーでオーストリアやノルウェーのチームと同じ場所でやったが、彼らの練習方法など随分参考にした。我々カナダチームもトレーニングのメニューを立て直し、基礎体力関係のコーチ陣を強化したり、若い選手の加入でチームの雰囲気が活性化されたのも要因だろう」。「ペピとは相性がいいみたいだ。バル・ガルディナでもゲディナの後ろでペピが2番で自分が3番。彼が表彰台にいる時はなぜか自分もいるんだ」。