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| 見谷昌禧のプロフェッショナルの視点 2006/2007 |
| オーレ世界選手権特集 |
| 男子・滑降 |
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| 1位、アクセル・ルンド・スヴィンダル(NOR) |
2位、ヤン・ヒューデック(CAN) |
3位、パトリック・イェルビン(SWE) |
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2007年2月11日、男女の滑降レースが開催された。ここに来て天候が安定し、順調に大会が消化されている。スピード系の大会は天候に左右されるので、この天候の安定こそスピード系の選手達の最大の望みであった。コンディション作りがしやすくなることで、滑降レースがより白熱化する。当初、悪天候のために3日間も延期して、大会関係者、各チームも苛立ちを隠せなかった。
だが、暗いムードを一気に明るい雰囲気に変えたのは、開催国のアニャ・パーション選手が、スーパー大回転でこの大会での初めての“金メダル”を獲得したからである。彼女は昨シーズン終了間際に膝に怪我をして、オフにヴェイル(USA)のステードマン博士の執刀で手術をしたが回復が思わしくなく、今シーズンに入っても不調が続いていた。
だがリハビリに専念して驚異的な回復で今大会に間に合った。この世界選手権大会に焦点を絞ってコンディヨンを調整してきた自国のアニァ・パーション選手が絶好調を維持しているので、スェーデンのファンの盛り上がりも凄い。スーパー大回転レースで優勝し、この滑降レースでも金メダルが期待されていた。
滑降レースは、男子の滑降競技から始められた。寒さが続いていて寒さ対策がキーポイントの一つであったと思う。開催地としては、一番気温の高い温度を発表しているとの事。実際はもっと寒いようだ。
スタート地点の気温:−12℃、ゴール地点:−8℃。コースコンディヨンは、ハード。天候は、ガス。昨年の3月にワールドカップの最終戦(プレ世界選手権大会)が行なわれた時は、いかに極地のオーレと言え暖かい気候で大会が開催されたはず。この2月での大会の開催は、何時以来なのであろうか。
コースの全長:2922m。旗門数:35。セッターは、イタリアのH・シュマルツェル、かっての大回転種目の名手としてならし、イタリアチームの監督も務めた。それだけに、この滑降レースでのハイスピードターンに難しさを求められたのであろう。
コースの特徴として前半部から中半部にかけてハイスピードターンの連続、各ターン弧のカーブの大きさをしっかりと把握しておくことがキーポイント。インスペクション時にカーブの大きさや斜面の状態、たとえば、どちらの方向に斜面が傾いているかなどの状況を確認しておく事が大切になる。天候の関係でトレーニング・ランが不足していたので、少しでも早くにコースの特徴をキャッチする能力も試されていた。
レースの結果からみて、強国オーストリアチームの惨敗。一番良い成績で、ビブ23のマリオ・シャイバー選手が8位。ヘルマン・マイヤーは13位、ミヒャエル・ワルヒホッファーにいたったはなんと15位と不振。一方、気を吐いたノルウェーのアクセル・ルンド・スヴィンダル選手は別格として、カナダ、スェーダン、スイスの各チームのダウンヒラーが上位を占めた。
天候からみて、コース前半部と後半部の視界は良かったが、コース中半部の一番難しいハイスピードターンが要求されていた部分にガスがかかっていた。このガスの薄いときに滑った選手と濃霧のときにすべった選手との視界の状況に左右されたレース展開となった。第1シードの選手達のスタート時が濃霧に覆われていたことは不運であった。このレースで新旧交代の時期にきたような現象がみられた。
天候の条件に左右されたが、ビブ21でスタートしたスピンダル選手が優勝し、ビブ22のマイヤー選手が13位。マイヤー選手の滑りに迫力を感じなかった。脚力の衰えを感じたのは私だけであろうか。
1位 アクセル・ルンド・スヴィンダル(NOR)
世界選手権大会やオリンピックのようなビッグゲームのスケッジュールは、スピード系の種目から始められるのが常識である。この大会でもスピード系の種目から幕が開けられた。トレーニング・ランが行われるので、オールラウンダーの彼にとっては技術系の種目のトレーニング不足になりやすい。それが原因でスーパー・コンビでの回転レースの不振になったのであろう。
複合の滑降でミラー選手に次いで2位になっているだけに滑降レースには心配はなかったはず。だだ、複合で優勝が確実視されていたのに回転レースでの失速で、スピンダル選手は不振とのレッテルを貼られてしまった。だがこのコースの滑降レースでは、昨年の最終戦の滑降レースで優勝しているだけに勝つ自信はあったであろう。
左右に連続するハイスピードターンでは技術系でも実力のある彼のターンテクニックが発揮された。スキーの長さを短めのものを使用したのかどうか知りたいくらいに、ハイスピードターンでのエッジの切れが素晴らしかった。連続するS字ターンを仕上げる時、高い位置をキープしながらターンのキッカケをつけ、ターンの後半でカービングターンを仕上げやすくするようにした滑りは群を抜いていた。
後半部では、プレジャンプとクローチングフォームでの滑りも完璧だった。この滑降レースの見所はハイスピードターンにあったので、この意味から、オールランダーのスピンダル選手に有利に働いたと言えよう。
2位 ヤーン・ヒュデック(CAN)
ここにきて調子を上げてきていた。その証拠にスーパー大回転レースで7位を確保した。ビブ2の早いスタートが幸いしたように思える。ガスがかかって視界が悪かったが、コースの雪面が荒れてなかったためにターン時にスキーのブレが無く、タイムロスを犯す事無くハイスピードターンをスムースに仕上げる事が出来た。ハイスピードターン時に谷スキーのインサイドエッジでしっかりと雪面をキャッチしながら、ターンをシャープに仕上げた滑りは素晴らしかった。彼の滑りで目立ったのだが、両大腿部の太さにパワーを感じた。ベテラン選手だけに、この日を待ちわびていた事だろう。弾丸滑降のカナダチームの復活だ。
3位 パトリック・イェルビン(SWE)
現役最年長(37歳)、ビブ5番でのスタート。きれいにコース整備された状態で、自分の思う通りのコース取りが出来たのであろう。まさに幸運に恵まれたレースをものにした彼の実力を認めよう。
4位にエリック・グァイ(CAN)。5位のアンブロッシ・ホフマン(SUI)、6位のディディエ・キューシュ(SUI)。複合で優勝したダニエル・アルブレヒト選手を加えて前半戦で見せたスイスチームの好調さは賞賛に値いする。 |
女子・滑降
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| 1位、アニャ・パーション(SWE) |
2位、リンゼイ・キルドウ(USA) |
3位、ニコール・ホスプ(AUT) |
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男子滑降の後の12時45分スタート。天候は、曇り。気温−10℃、ゴール地点−9℃。時々濃霧にみまわれた男子滑降レースに比べて、視界の効く良いコンディションで開催された。実力通りの成績になった。
1位 アニァ・パーション(SWE)
コースの前半から中半の難しい部分で勝利を確信したであろう。ハイスピードターンのコース取りも理想的で、ターンをシャープに仕上げて滑り抜いていた。
2位 リンゼイ・キルドウ(USA)
ビブ27でスタートしたパーション選手のタイムを追って、ビブ29のキルドウ選手がスタート。強引な滑りでターン時でスキーのブレが生じていたし、プレジャンプでの空中フォームでもバランスを崩していた。
3位 ニコール・ホスプ(AUT)
本来は技術系を得意としている選手だが、ビブ15でスタートして、コース上が荒れていないうちにすべって快挙を遂げた。
4位スイスのスティーゲル、5位ギシンのスイスチームの選手が健闘した。
パーション選手が2個目の“金メダル”を獲得し、スウェーデンの観衆の喜びは最高潮に達した。 |
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