第3回国際スキー技術選大会

3年連続オーストリア勢がトップを独占。日本人ではベテラン渡辺一樹が4位入賞を果たす。

男子成績女子成績


 この大会は先に行われた全日本スキー技術選手権に出場した上位選手を含めた約50名が世界のトップスキーヤーとその技術と表現力の高さを競うイベント。全日本で優勝した粟野利信選手や、デモンストレーター選考会でトップで認定された渡辺一樹や、急成長著しい若手スキーヤー宮下征樹、二瓶勝が出場。海外からは3ヶ国、おなじみのベルント・グレーバー、リッチー・ベルガーら12名の選手が出場した。今年は、雪不足のため昨年行われた人口ウエーブなどの種目はなく、カービングと小回りの各3本の競技に限定された。競技運営側からは一切条件が設定されず、カービングをテーマにした滑りであればまったく自由というアウトラインが設定された。同じバーンを3本カービング技術で滑らなくてはならないことから、カービングに対する応用能力が求められた。同じくもうひとつのコブの急斜面では、小回り種目3本が設定された。

第1日目
急斜面カービングターン大回り

 技術選手権としては、異例とも言える同一種目3本の滑りが設定され、選手によって3本の構成が異なった。まったく同じ質のカービングを3本表現する選手もいれば、バリエーションのひとつに志鷹慎吾、渡辺一樹選手のようにファンカーブのスキーでノーストックでカービングを表現をする選手などさまざまだった。ただ、この二人の滑りはまだ評価されず、点数は伸びなかった。

 今回の競技で注目されたのはその競技方法。全6種目を2日間で行い、1種目ずつ点数が加算され、最高点の選手が次の種目の最後に滑るリバース方式を採用。得点が低い選手からスタートするので、見る側からすると面白い側面を持つ反面、ジャッジに与える影響を心配する声も聞かれた。この種目で最高点を出したのはオーストリアのリッチー・ベルガー。2本目はフランスのアルマン・マイヤーに譲ったものの、1本目、3本目を最高点で種目別の優勝を決めた。

第2日目
急斜面コブ小回り

 平均斜度30度近い急斜面は昨日まで一般スキーヤーが滑っていた関係上、不規則なコブが形成されていた。競技当日は細かい雪が舞う中行われたが、斜度のわりにはスピードが出にくい状況で、ほとんどの選手が、最初の1本目を深回りで確実にスピードコントロールしていたが、2本目は果敢に浅いラインで攻める選手が多かった。

 この種目では、絶対的な自信を持っているベルント・グレーバーが、どこまでトップを走るリッチー・ベルガーに肉薄できるかが注目された。1本目、全身を大きく使った彼独特の滑りに歓声が沸き、最高点の570点をマークした。彼の脳裏には逆転の可能性を感じていたはずだ。そんな思い持ちながら彼は続くリッチー・ベルガーの滑りを注視していた。安定したリズムと安定感でわずか1点を上回る571点をたたき出しリッチー・ベルガーがトップを守った。そして、この時点でベルントは逆転の可能性がなくなったことを感じたという。

 一方日本人では、全日本技術選で優勝した粟野利信の演技に期待がかかったが、技術選の疲れが残っているのか、今一つ強くアピールするものが見られなかった。ただ、渡辺一樹が持ち前の安定感のある滑りで、日本人男子としては最高位の総合4位に入る健闘を見せた。


 今大会では、雪不足の影響を受け、十分な競技運営ができなかったが、恐らく他のスキー場であれば中止になっていただろう。今大会を成功させた影には、競技運営させたら日本一といわれる野沢温泉スキー場スタッフの功績が大きい。